エール
息子はこの春から社会人となり、研修先まで電車で通っているのですが、
昨日帰宅するとすぐ「帰りの電車の中で友達と会ったよ!」と話し出しました。
その友達も就職して研修中とのこと。
あっそう、よかったねー!^^元気にしてた?と聞くと
うーん。変っていたよ。と驚いたように息子が答えました。
んっ??どういうこと?
あいつ、「俺は最近自分に障害があることを知った。すごいショックを受けている。
いままで迷惑かけてごめんなさい。」って謝ってきたよ。
雰囲気がガラリと変わっていて、一緒にいた小学校来の友人も驚いたそうです。
私は一瞬で、彼が持って生まれたその”外向き”さを一生懸命に律する姿が目に浮かびました。
彼は小さいときから団体行動や相手の気持ちをくみ取ることが苦手でした。
小学校では授業を抜け出すこともありました。
はみださないことを強いられるこの世の中は万事やりにくかったかもしれません。
彼のお母さんは懸命に努力されていました。
私はいつも「私、息子を買ってるからね!将来大物だよ!」って会うたびに言ったものです。
今でも本気でそう思っています。
彼には小さい頃からそう思わせる不思議な信頼感と魅力がありました。
保育園児の頃の泣き虫の彼、
たくさん悪さをして、他のお母さんからいっぱい叱られていた小学生のころ、
精一杯わかってもらいたい、認めてもらいたい気持ちが伝わってくるあの姿
いろんなことが浮かんできて、ハラハラと涙が落ちてきました。
何であなたが泣くのー!家族にあきれられましたが、
「謝ることなんてないんだよ。全然悪くないよー!いるだけでもう十分なんだよ。」って
叫びにも似た声が出て胸が詰まってしまいました。
「でももし彼にまた会ったら、お母さんにたくさんのありがとうを言ってあげてね」って
号泣で声にならない言葉を絞り出し、息子に託しました。
きっとあのお母さんなら、「みんなに感謝しなさいと」言い聞かせているはずです。
あらたな一歩を踏み出した彼にエールを贈ります。
お母さんにも花束を。